甲斐駒ヶ岳は名峰である。もし日本の十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないであろう(日本百名山 深田久弥著)
甲斐駒ヶ岳に行ってきましたヽ(^。^)ノ。
2021年10月初め、台風が過ぎ去った翌々日、雲一つない青空が広がる天気の良い日に、南アルプスにある甲斐駒ヶ岳に行ってきました。
登山道は、日本三大急登である黒戸尾根を登る一泊二日の計画にして、宿泊は七丈小屋でテント泊を予約しました。
1、甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳は南アルプス(赤石山脈)にある標高2967mの山です。日本百名山にも選ばれている山で、山頂は白い花崗岩で美しいピラミット型をしています。
駒ケ岳と言えば名前が馬に由来することが多くあり全国に駒ケ岳があります。木曾駒ケ岳や会津駒ケ岳と共に有名な駒ケ岳の一つが甲斐駒ヶ岳です。
そんな沢山の駒ケ岳がある中で、一番高いのが富士山の頂上にある一峰の駒ケ岳(3710m)で、その次に高い駒ケ岳が甲斐駒ヶ岳(2976m)です。
山の神様
信仰の山であり、山の神様は大国主命(大巳貴命)で出雲大社に祀られている神様です。大国主命は須佐之男の子孫でもあります。本社(奥宮)は山頂のすぐ下(摩利支天)に祀られており、里の宮は表参道である黒戸尾根へつながる登山口二か所にあります。
登山道(表参道)の長くて急な傾斜の道中には導きの神と言われる猿田彦命が祀られています。
信仰・修験道の山
文化3年(1816年)江戸時代末期に弘幡行者(延命行者)により開かれた信仰の山で、表参道である黒戸尾根には沢山の石碑、石像があります。修験道の仏様は開山威力不動明王が祀られているとのことです。不動明王が持つ剣も多く祀られており、山頂付近の大きな岩(不動岩?)に祀られている二本の剣は圧倒されます。
甲斐駒ヶ岳山頂より標高で47m手前に摩利支天(標高約2820m)があり、たくさんの石碑祀られています。同じ場所に駒ケ岳神社奥宮(本社)も祀られています。山岳信仰は江戸時代に始まっているので神仏習合の名残りを感じさせられます。
2、登山口と駐車場
甲斐駒ヶ岳に黒戸尾根で登るとなると登山口は二か所あるのですが、広い駐車場がある尾白川渓谷駐車場を利用しました。市営の駐車場なので無料できれいなトイレもあります。日曜・月曜の一泊二日で行きましたので、駐車場が混んでいないか心配しましたが、半分弱位のみ車が停まっているのみで、困ることは全くありませんでした。売店もあります。
甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根は急登であり距離も長い事もあるので早朝から登る人が多く、車中泊をしている車も多かったです。
都区内に住んでいる私は中央道を走って登山口に向かいます。今年(2021年10月)は緊急事態宣言が解除されたものの、高速道路の休日割引は引き続き適応されない事もあり深夜料金が適応される時間に走りたいと考えました。しかし、中央道は高井戸インターから高速道路に行けない構造になっています。環七で首都高に入り中央道に行くか、もう一つ下りにある調布インターまで甲州街道を走る必要があります。深夜割引が適応されるには朝4時までに中央道に入らなければならないので結構悩む(-_-)。少し遠くなりますが、早朝の甲州街道は混んでいないので調布インターまで甲州街道を走る事にしました。少し余裕をもって朝3時半ごろに自宅を出発しました。
3、甲斐駒ヶ岳に黒沢尾根(日本三大急登)で登る
日本三大急登の一つである甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根。日本百名山の中にも「日本アルプスで一番つらい登りは、この甲斐駒ヶ岳の表参道かもしれない」と書かれている程です。
約一年前に、同じ日本三大急登である谷川岳の西黒尾根に日帰りで登ったことがあり、今回はテント泊装備ですが何とか登れるだろうと、何の根拠も無く思っていました。しかし、登山計画を立てていたらとても距離が長く時間も長くかかることが解り、早朝出発で正解だなぁと思っていました。そして、今回はテント泊装備ですので、今まで買っていなかったストックを購入しましたヽ(^。^)ノ。
登り初めはそんなに急登と言われるような登山道ではなく、気持ちよく歩けるていました。少し歩くとはしごがあり登るのですが。そうこうしていると刀渡りと言われる切り立った岩場があります。富士山や八ヶ岳の絶景を眺めながら、落ちないように注意して先に進んだその先には刀利天狗の祠があります。
その先に屏風岩があり、お社と沢山の石碑が祀られており、圧倒させられながら眺めていました。
そして、ここからが黒戸尾根の急登の始まりでした。急なはしご階段に岩場に鎖やロープ、「え、これを登る?」と思うような場所の連続でした(;^_^A。笑えないけど、笑ってしまうような急登ですΣ(・ω・ノ)ノ!。安全第一で突破し、何とか無事に七丈小屋に到着しました。
受付をして、缶ビールとジュースを購入。水を汲んで小屋より登山道を少し進んだ先にあるテント場がお宿となりました。
小屋より甲斐駒ヶ岳の山頂までは標高で約300m程の急登を登った先にあり、時間はゆっくり登った私で約2時間でした。
4、ナイトハイクで山頂へ
テント泊をすると、日の入り前に夕飯を食べてしまうので19時前には寝てしまいます。そうすると、当然朝も早くに目が覚めます。
テント場より山頂までの所要時間は約2時間で、日の出が5時40分頃なので3時40分に出発すれば山頂から日の出を観れるなぁと思い、出発15分前に目が覚める👀。水分と少しの荷物を小さいザックに入れて、真っ暗な中をヘッドライトをつけて出発しました。
山頂までの登山道は相変わらずの急登続きなのですが、荷物が少ない分楽に登れます。鎖を使わなければならないような岩場もたくさんありましたが、岩場を登るのも嫌いではなく楽しんで登りました。
予定通りの約2時間で山頂に到着。の予定でしたが、まさかの山頂直下の日の出(笑)。私の他に一人の方が先に登頂されており、山頂より写真を撮っている音が聞こえるほどの山頂すぐ下(笑)。他に人が登ってくる様子も無かったので、その場所で私も日の出を眺めながら写真を撮りました。
空は雲一つない快晴で、眼下には雲海が広がっていました。勿論富士山も。
甲斐駒ヶ岳山頂は展望が素晴らしい事でも知られています。山頂なので360度の景色を楽しめるのは勿論ですが北に八ヶ岳、北アルプス、西に中央アルプス、南に日本の山高さ2位の北岳、同一三位の間ノ岳、少し離れて富士山も見えます。
日の出前の空の色が綺麗だと思う
少し余談なのですが(;^_^A、日の出前のこの空の色がとてもきれいだなぁと思います。
空が明るくなる直前、夜空と太陽のオレンジ色の移り変わるこの瞬間ヽ(^。^)ノ。
5、七丈小屋でテント泊
この日のテント場は結構空いていました。テント場は登山道に沿って二か所ありますが、トイレが小屋の近くにしかないので小屋に近いテント場に設営することにしました。それでもテント場からトイレまでは登山道を歩いて5分ほども距離があります(;^_^A。
テント場に着く前に水や飲み物を買って登ってきたので、テントを張ったらマットを敷いて少し休みました。少しウトウトしてしまい、気が付くと17時頃。テントの中で少し荷物を片付けて、夕飯を作って食べました。朝は山頂で日の出を観てテントに戻ってきてからご飯を炊いて頂きました。
夕食後はシェラフ(寝袋)に入ってゴロゴロしていると空も暗くなり、ウトウトしながら寝てしまいました。ソロ登山でテント泊して寝られるのか?と思うかもしれませんが、結構寝れます(笑)。標高2600m程の場所で10月、シェラフは温かい冬用を持ってきていましたので温かく寝られました。寒いのは苦手です。はい(;^_^A。
※7丈小屋のテント場は電話予約が必要です
6、甲斐駒ヶ岳を登ってみて
一言でいえば、黒戸尾根の急登は想像以上でした(;^_^A。一泊二日の行程で二日間の累積登りは2677mでした。今回は大変だったから累積の登りも一番高かったと思い過去の記録を観てみると、テント泊登山を最初にした三条の湯から雲取山に登った時が2890mと今回より200m強も高くて、あれ(。´・ω・)?。登山道は黒戸尾根のほうが難しかったですが…。いずれにしても、大変であることに変わりはありません(;^_^A。
登山の記録はこちら👇
写真もたくさんUPしています
日本三大急登とは
と言われています。昨年西黒尾根、今回黒戸尾根を登りましたので、ブナ立尾根もいつか登ってみたいかなぁ(笑)。
西黒尾根を登った時のブログはこちら👇
山頂直下ら眺める山容は息をのむほどの美しさで、山頂からの景色もとても素晴らしかったです。山頂からの周りの山々の展望も素晴らしかったです。調べていなかったのですが、山頂から南アルプスの山々を見渡すと一番高い山が観えるので北岳と解ったことも嬉しかったです。その隣に間ノ岳が観えた事にも感激しました。麓の北杜市から向こうの八ヶ岳の麓まで街並みが観え、今回はナイトハイクもしたので夜景も楽しむことが出来ました。
前回のテント泊登山から約一か月しか経っていない事もあるのか、テント泊装備に少し慣れたように感じました。テント泊も回数を重ねるごとに自分らしいスタイルが出来て来るように思いました。
お天気にも大変恵まれ、とても楽しい山での時間を過ごすことが出来ました。自然に感謝です。
7、使ったお金💰
- 高速料金 4360円(調布IC~勝沼IC1420円、須玉IC~高井戸IC2940円)
- ガソリン代 約2140円
- 七丈小屋 2100円(テント泊:800円、缶ビール:800円、ジュース:500円)
- 下山後のアイス 238円
- 合計 8838円でした。