2020年、今年も冬を迎える季節になりました。
冬山については全く未経験に加えて、寒いのが苦手でもあります。
色々ネットの記事を読んだり、ショップの店員さんの話を聞いたりしましたが、何だかイメージが出来ません。
頭で考えてばかりでは仕方がないので、山に行こうと思いました。早朝に都内の自宅を出発し、明るくなってから登山して、お昼過ぎには下山しようと、「日光白根山」に行きましたヽ(^。^)ノ。
1 冬の山を知りたい 入門編の課題
はい、冬の山が全く分かりません。
どうしようかなぁと考えました。とりあえず、冬の山を知ろうと思いました。自分の体力と、能力を考え、何処の山が良いかなぁと。
いきなり、雪山になっている山に行くわけにはいかないので(👈当たり前です)、道迷いの心配が少ない山で、以下の体験が出来る山に行こうと考えました。
①寒い冬登山の体温コントロールと服装:氷点下の寒さが望ましい。本当は寒いのは苦手です(T_T)。
②雪の登山道とアイゼン:積雪は深くないが、軽アイゼンが必要な区間もある事。今年の高い山は一度雪が降った後暖かさで溶けている可能性もある。
③晴天と暴風:天気が良い事。さすがに雨は無理です。できれば風も体験したい。
そして、「無理・危険を感じたらすぐに諦める」、登っている最中「来た道を戻れるか。戻れる体力はあるか、登った道は下れるか」と、常に下山出来る事を考えて登ることにしました。
2 日光白根山
群馬県と栃木県の境にある標高2578mの火山で、北関東以北の最高峰です。
日光白根山は北関東以北最高峰
少し話がそれますが、日本の最高峰と言えばもちろん「富士山3776m」なのですが、その次はもちろん「北岳3193.2m」で南アルプス(赤石山脈)、3位は「奥穂高岳3190m」北アルプス(飛騨山脈)です。以降100位までの山は北アルプス52、と南アルプス31、中央アルプス(木曽山脈)9、八ヶ岳5で、日本の高い山100位までの97座が、この4か所の山脈にあります。残り3座は、独立峰の「1位:富士山」と「14位:御岳山3067m」、「90位:白山2702m(両白山地)」が加わっています。
100位以下は、この4ヶ所の山脈の山が続く中に奥秩父山塊の山が入り始め、「日光白根山2578m(日光連山)」となっています。関東以北とすれが奥秩父山塊が入るため、北関東以北最高峰です。ちなみに、北関東以北で次に高い山は「燧ケ岳2356m(尾瀬:独立峰)」です。「西は?」というと、石川県、富山県、岐阜県にまたがる両白山地を除くと、「石鎚山1982m(石鎚山脈)」で四国の愛媛県と高知にまたがる山脈にあります。
日本百名山でもある火山、山頂からの素晴らしい眺めと神社
長々と話がそれてしまいましたが(;^_^A、日光白根山は、日本百名山に「奥白根山」として選定されています。奥白根山と言われているという事は、前白根山もあります。
火口湖である「五色沼」の周囲を囲むように「前白根山」「奥白根山(日光白根山)」「五色山」と外輪山があるように見えます。
その中の最高峰が「奥白根山(日光白根山)」。奥白根山が一番高くなったのは、日本百名山の中に「(山頂に)小火口跡があちこちに散在しており…」と書かれており、山頂に複数ある小火口から流れ出た溶岩が、外輪山の一部であった「奥白根山」を高く盛り上げ、関東以北最高の山となったと思いました。山頂付近は急登の岩を登りますが、岩は溶岩で、とても滑りにくく登りやすかったです。
山頂は、森林限界を超えている溶岩の塊で360度の展望です。
「谷川岳」、遠くには雪のかぶった山脈、多分北アルプスや南アルプス。
そして「富士山」も観えました。
山頂より少し降りたところに「奥白根山神社」があります。
他にも「弥陀ヶ池」や、今回は行かなかった「賽の磧」「血の池地獄」「座禅山」等があり、信仰の山であったように思われます。
五色沼と弥陀ヶ池
共に火山湖なんだろうなぁと思います。すごく水が澄んでいます。
菅沼より歩いて行くと、先に「弥陀ヶ池」に着きます。
日光白根山山頂の麓にある美しい火山湖です。登山道は湖のすぐそばを通りますので、木道も整備され、とても歩きやすくなっています。
「弥陀ヶ池」という名前を見て何か???。「阿」が足らないのかな。「阿弥陀」のアが省略されています(*^-^*)。色々調べてみましたが、阿弥陀を弥陀と省略されることもあるようです。ちなみに阿弥陀仏はインド語で「無量の光明」「無量の寿命」の名前を持つ仏様です。
弥陀池は、無量の光明である太陽の光に美しく輝き、無量の寿命のような枯れる事のない湖なのかもしれません(*^-^*)。
弥陀池より少し標高が低い場所に「五色沼」があります。「沼」は透明度が低いときに使われますので、ここは「火口湖」と思います。とても透明な湖です。
表面の氷が風にふかれて流されています。氷が流されてきしむ音を初めて聞きました。湖の表面に張った氷はとても純度が高そうで、キラキラ光っています。
五色沼周辺は広い窪地で砂場になっており、ゆっくりのんびりと湖畔散歩を楽しめます。気候が良ければゆったりとのんびりしたいと思う程ですが、今回は「寒い」ので、お散歩のみですが、かなり気持ちが良いですヽ(^。^)ノ。まさに、天空のオアシスです。
水場もあるようですが、解らなかったです。
この二つの湖ですが、こんなに標高の高い場所で透明な湖水はどうしたら保てるのだろうと思いました。
弥陀ヶ池のほうが標高が高いので、五色沼に流れ込んでいる事も考えられますが、二つの池は少し離れているから…。
この辺りは火山の為溶岩で出来ているし、こんな高い場所なのに等を考えましたが、良く解りませんでした(*^。^*)。
一番右が「五色沼」、弥陀ヶ池は山に隠れていて、二つに見えるのが「菅沼」、一番左が「丸沼」だと思います(;^_^A。
登山コースと駐車場
登山するにはいろいろなコースがありますが、今回は「菅沼駐車場」より登りました。ちなみに「日光白根山ロープーウェイ」は11月8日で今年の営業は終わっていますし、菅沼駐車場にあるお店も締まっていて、トイレも使えませんでした。お店の脇から登山道に続いており、そこに車を停めることが出来ました。
登山道はとても解りやすく歩きやすかったです。さすが人気の山だと思いました。シーズンに来れば沢山の人で賑わっているのだろうなと思いますが、シーズンオフは数人の登山者がいるだけで、とても静かな山歩きが出来ました。
弥陀ヶ池から山頂を目指し、五色沼に降りて、湖畔を散歩し、弥陀ヶ池に登り直して、来た道より下山しました。迷う事はありませんでした。五色沼より弥陀ヶ池への登り直しが一番きつかったです(;^_^A。
3 初冬の日光白根山で解ったこと
① 寒い
寒い中でどうやって自分の体温を守る?
はい、登山口に着いた時、車の温度計は-5度、閉まっている売店にあった温度計は-7度。約800の標高差を登りました。朝7時半位に出発し、晴天でしたが、すごく寒かったです。
当然氷点下でもある寒さの中です。じっとしていても体温を奪われます。しかし、登山は結構な運動量ですので、歩いていればかなり体温が上がります。体がポカポカしてきます。なので行動中の体温は保てるます。しかし、濡れるとまずいなぁと思いました。
濡れると蒸発する際に気化熱を奪われます。濡れたままで風に当たると体温を奪われます。この寒さの中で、濡れることで体温を奪われる事は非常に危険で、かなり危ないと感じました。だから濡れないようにする。
どうやって濡れないようにするのか。
汗をかかないように調節する。服装はもちろんです。汗をかかないように自分に合った服装が大事です。運動量や風に合わせての調節も大事でした。そりゃ、歩いている時と停まっている時、無風の時と強風の時は同じ服装という訳には行きません。そして、汗をかかない程度の運動量にすることも気を付けないといけないと感じました。汗をかきそうだなと思ったら少し活動を軽くする。登っているこちなら少しペースを落とす。少しの事でも濡れるよりは良いと思いました。
もう一つ思ったのは👇の写真です。
私は普通の手袋で行ったのですが、冬登山では防水の手袋を使われることがあります。雪が付いた手袋を観て思った事は、「雪が解けたら濡れる」。手や足先は心臓から遠い部分なので、血流量は少なく冷えることは凍傷になります。手袋に雪が付くことが大変なことになると感じたので、手袋に雪が付かないように雪のある所は触らないようにしました。
食べ物と飲み物は冷たくなる
その他に、寒さを一番感じた事がありました。持参したランチジャーのお弁当を食べていたら、ホカホカだったご飯が食べ終わる前にドン冷えになってしまった事。持参していた梅おにぎり🍙がドン冷えに冷たかったこと事Σ(・ω・ノ)ノ!でした。何も考えていなく、何時も通りに保温ジャーでご飯を持ってきましたが、救われました。普通のお弁当箱では冷たくなりすぎて食べるのは難しいし、冷たい食べ物で体温が下がることを、行動による運動量とも考えなくてはなりません。バーナーを持ってきたとしても、それが使えるか、今回は風がありました。もちろん少し降りたところに避難小屋もありましたのでそこでバーナーを使って暖かい食事をとることはとても良いと思いますし、私もバーナーを持っていけば良かったと思います。
ボトルで持参したお茶の冷たい。当たり前の話ですが冷たいのです。冷たくなりすぎないように保温ボトルや保温ジャーを上手に使う事も考える機会になりました。
夏の間は腐らないかを心配しましたが、冬は凍らないかを心配しなくてはならないです、はい!(^^)!。
②雪の登山道と軽アイゼン
登山道に特に危険な場所は無く、山頂付近の岩場も急登ですが登りやすかったです。やはり危険なのは雪道でした。
このような場所が数か所ありましたが、登りはアイゼンなしでも登れました。下りは軽アイゼンが無いと滑るので使いました。
軽アイゼンを着けて歩くのは歩きにくくなるとありますが、そもそも軽アイゼンが必要なほど滑るので、滑る登山道を普通の登山靴で歩くより、歩きにくくなるアイゼンを登山靴に着けて滑りにくくして歩くほうが断然楽でした。雪道にアイゼンは必須でした。あるほうが歩きやすいです。
③晴天と暴風
私が行った日の天気予報は、晴れで風が強いでした。
登山口に着いた時には無風でした。しかし、山なので登ってみないと解りません。森林限界を超える少し前より風が強くなりました。弥陀ヶ池を超えると森林限界を超えるのですが、さすがに森林限界とは良く表現されていると思いました。この風では樹が育てない。今まで2回森林限界を超える登山をしていましたが、天気が良く風もありませんでした。なので、森林限界の意味を初めて実感できました。百聞は一見にしかずです。
暴風の登山で気を付けないといけない事。
撤退する勇気を持ち、無理をしない
そして、暴風によって奪われる体温を奪われないように保つこと。
私の持っているウェアの中で一番風を通さないものと考え、いつも通りに持参していたのがレインウェアの上下。まず上を羽織りました。大正解でした風を防げました。レインウエアなので、ファスナー部分もばっちりです。そして最後の急登を登る前にレインウエアのパンツも着用。それくらい風が強かったですが、着ると風を通さないので体温を奪われることはありません。あとは汗をかかないように運動量の調節をしながら登りました。
かなりの強風(大型台風並み)でしたが、吹き飛ばされることもなく?体温を奪われることなく少し降りたところで風がやんだので絶景ランチしました。
4 冬山は奥が深い
寒いだけでも体温を保つことを考えなければならず、そのうえ雪道は滑ったり、濡れたりしないように注意しなければならないので、冬山は夏山のように歩けない事が解りました。日照時間も短いですし、夏のようにサクサク歩けないので、行動時間を同じように設定出来ません。
もっと積雪量が増えると、登山道が観えなくなるでしょうし、雪に靴が埋まることも考えられます。他にも夏と同じようにいかない事が沢山あるでしょうし、難易度が上がることはもっともな事と思いました。冬山は奥が深いです。