ケチ子おばさんの空色ハット

山歩き 街道歩き その他お出かけの記録

秩父三十四観音霊場 25番から27番(28番、29番)

秩父三十四観音霊場巡り

2021年の11月に、日本百観音の1つである秩父三十四観音霊場巡りを始めました。

途中であきらめていたという訳ではないのですが、前回の日帰り霊場巡りより一年以上もたっていました。
霊場巡りに期限は無いかもしれないけれど…。と、突然思い出して。

思い立ったら吉日の様な、根拠もない、計画性もない、行動力と言う能力がある私は、梅雨の晴れ間であるものの、日中最高気温は30度を超える夏日に出かけました。

秩父は盆地なので、暑いだろうなとは予想をしていました。
現地に到着して、暑すぎるようならば、予定を変更して日帰り温泉にでも入って、道の駅で野菜などを購入して帰ろうと思っていました。

しかし、当日の朝バタバタしてしまい、出発が遅れ、車は渋滞に突入してしまい思うように進まず、今回の出発・ゴールに計画した「道の駅あらかわ」に到着したのが12時を過ぎており、一日で一番暑い時間になってしまう…。
終わった…
と、心でつぶやきながら、駐車場に車を停めて外に出ると
涼しい…?
コンクリートアスファルトで覆われている都内に住んでいるので、普段の暑さに比べると、吹いてくる風がとても涼しく感じました。
都内の暑い日は、エアコンの室外機の熱風のような風が吹いてくるような感じがする日もあり、緑の匂いを感じる山や畑から吹いてくる風の気持ちよさに感激しました。
と言っても暑いことには変わりなく、日差しの下ではかなり暑くなるので、帽子をかぶり、出来るだけ日陰を歩き、水分補給をしながら、汗をかきかき歩いて霊場巡りをしてきました。
しかし、スタートの時間が遅くなったので、28番と29番の札所は時間切れになってしまい御朱印を頂くことが出来ませんでした。

前回までは、道の駅ちちぶを拠点にして霊場巡りをしましたが、今回は巡礼する札所の場所が秩父の市街地より離れるので、道の駅あらかわを拠点にしました。

道の駅あらかわから国道140号を歩く

前回、24番までお参りしているので25番からになりますが、24番から25番の間には江戸巡礼古道があり、そこを歩きたいと思っていました。道の駅あらかわを出発して、25番にお参りをして、24番に向かって古道を歩き、途中から26番に向かい、変則的に歩いています。

県道72号日野鷺橋からみる荒川と武甲山

秩父三十四観音霊場巡り二十五番から二十七番

二十五番 岩谷山 久昌寺

久昌寺 観音堂

県道から少し入った場所にあります。県道から曲がる角には看板があるのですが、少し見つけづらいかもしれません。観音堂の奥には弁天池もあり、敷地も広くとても景色が良いお寺です。
観音堂の南側には大きな岩が露出しており、真夏の暑さの中でもとてもひんやりとして、吹いてくる風も涼しかったです。お寺の方の話では、冬場は雪がなかなか解けないですよと言われていました。
観音堂の脇の祠には奪衣婆がまつられています。恐る恐る中を覗いてみると、期待を裏切ることは無い、迫力たっぶりの奪衣婆がまつられていました。奪衣婆は閻魔大王の妻ともいわれるので、地獄のファーストレディになるのかも?
しかし、いつ見ても奪衣婆は迫力があり、見た目では閻魔大王より怖いと感じています。
観音堂にお参りして、弁天池のほとりを歩き、本堂にお参りをして御朱印を頂きました。

久昌寺仁王門と御朱印
江戸巡礼古道 久那みち

久昌寺より住宅街の間を抜け、小学校の脇を通り、巡礼道は山に入っていきます。
山に入るとそれなりに虫が飛んでいるのですが、木々が生い茂っているので涼しかったです。山の中の登山道のような巡礼古道は、所々ぬかるんでいるので滑らないように注意しながら沢を渡り歩き進みました。

沢を渡る純正古道 武甲山が良く見える休憩所

先に進むとミューズパークに続く道路に出るので、坂道を下り荒川方向に行くと、荒川がS字に曲がっているのが良く見える場所がありました。この辺りを巴川と言うのは荒川の蛇行による地名なのかもしれないと思いました。
河岸には断層のバームクーヘンが斜めに露出しており、迫力満点の景色を楽しめます。車で走るとなかなか見れない景色に気付いて楽しめるのが歩く旅の良さだと思います。

荒川の絶壁の河岸

荒川を巴橋で渡り黙々と次に向かって歩きます。

二十六番 万松山 円融寺

荒川を渡り、武甲山から続く峰を背にして円融寺はありました。

26番 円融寺


昭和電工さんと琴平神社

円融寺の奥の院武甲山から伸びている峰の山中にあることが地図に書かれています。歩き進んで行くその先に昭和電工という会社があり、看板が設置されています。
奥の院岩井堂とその手前にある琴平神社には会社の敷地内を通らないと行けなくなっており、会社の受付に声をかけて下さいと書かれています。
受付の方は「自分は登ったことは無いですけれど」と言われましたが、航空写真を出してくれ山道を丁寧に説明していただけました。
会社の中を進んだ先に奥の院に向かう階段で作られている道と、琴平神社経由で、荒れているかもしれない道があるとのことで、説明では階段の道が良いとのことでした。
しかし、ここまで来たなら琴平神社にも行ってみたいので、荒れているかもしれない道を選択し、駄目ならば戻って歩き直せばよいかと進みました。
昭和電工さんの敷地内より神社に向かう鳥居の脇にさざれ石があります。さざれ石は君が代にも歌われている小さな石が固まってできる巌(いわお:ゴツゴツしている大きな岩)です。このさざれ石は、石灰がとれる武甲山から産出されたそうです。

ここからは、琴平神社に向かい、長い階段になっている参道を登ります。かなり長い階段です。
琴平神社には、水が注がれている手水舎がありました。ここまで水道を引いて水を出しっぱなしにすることは無いと思うので、山水が引かれているのかもしれません。
神社は無人で、私が行った日は誰もおらずで、何か音がするなと思うと、もしかすると、境内に井戸なようなものがあったのでその音かもしれませんでした。

26番円融寺の奥の院 岩井堂

奥の院 岩井堂

昭和電工さんの敷地内から琴平神社に向かう場所からの標高差は100m程しかないのですが、山道であり傾斜の急なので、山を登ったという実感が出来ます。
山の中で目の前に現れる奥の院岩井堂は急斜面に聳え立つ、大変立派な建物です。
18世紀中ごろの建立と言われているので、江戸時代末期になります。
本来は、秩父三十四観音霊場の26番札所はこちらの奥の院岩井堂であったと言われいるので、当時の人々はここまでお参りに来ていたことになります。

岩井堂の奥にある岩室

武甲山から伸びる尾根の斜面に作られているお堂の奥には岩室があり、石仏が祀られています。北向きの斜面であるにもかかわらず、お堂の屋根の上から照らされる明るさに、信仰の対象であることを感じます。
急斜面に建てられているお堂の舞台に上がるのは少し勇気が要りますが、せっかくここまで来たので、参拝をしました。
この場所からさらに斜面の登山道を登った奥に琴平ハイキングコースがあり、大きな仏像があると書かれているのですが、見つけられませんでした。

下山は、引き返してもとに戻っても良いのですが、このまま山の中の登山道で次の27番の札所に向かいました。

岩井堂の方を振り返って撮影。写真左側に琴平神社から道が合流している。

地図で見ると良く分かるのですが、昭和電工さんは山の谷の奥の方まで工場があるので、そこから琴平神社や岩井堂までは急な斜面を登るのですが、比較的距離がありません。
しかし、次の27番の札所までは山から尾根が張り出しており、その尾根道を標高をあまり落とさずに数か所のピークを越えて、アップダウンを繰り返しながら進み、札所の手前で一気に下ります。
山を歩いた…、という気分が味わえるコースで、山道が好きならば気持ちよく歩ける道です。

二十七番 竜河山 大渕寺

護国観音

尾根道を歩く道中に護国観音がまつられています。

護国観音(27番大渕寺)

秩父市内を車で走ると、山の上にまつられているのが見える白く大きな観音様です。
高さ15m、関東三観音(関東三観音と言う定説はないようです)の1つに数えられているそうです。
護国観音は、昭和10年(1935年)、当時の世の中の流れに対して平和の願いを込めて大渕寺の当時のご住職が建てらたそうです。それから月日が流れ、観音像にも劣化が観られたため、近年改修工事をされており、現在は白く美しい観音像になっています。

観音像の足元から眺める秩父盆地
大渕寺

観音堂

延命水

境内には自然の湧き水で、年間渇水すことが無いと言う延命水があります。恐らく武甲山からの湧き水だと思われ、水の浄化作用がある石灰で出来ている武甲山の恵みの水です。
この水を飲むと三十三カ月(2年9カ月)長生きできると言い伝えられているそうです。

暑い日に、ここまで山道を歩いてきたので多量の汗をかき、持参していた水分もなくなっていたので、こちらの水を飲ませて頂き、さらにマイボトルにも汲ませて頂きました。湧き水ならではの冷たさと、美味しさです。


二十八番 岩龍山 橋立堂

橋立堂も、武甲山から続く尾根の端にありますが、この場所は武甲山の巨大な石灰岩体の西の端になります。そして、橋立堂の下は凝灰岩などであり地質の境目になります。
石灰岩で出来た75mもある岩壁を見て、白い岩肌が高く大きく聳え立つ光景に、人々は信仰の対象としたのでしょうか。
武甲山は、もともと南のサンゴ礁の島であり、プレートの動きで移動してきました。そして、プレートが沈み込む際にはがされて隆起してできた山なので、元の地盤と乗っかった武甲山の境目でもあります。

この場所には、NHKブラタモリで、タモリさんが訪れており、この光景を眺められていました。

(時間切れにより、御朱印はいただけませんでした_| ̄|○。)

石灰の岩壁を真下から見上げる

聳え立つ石灰岩の岩壁

橋立堂に向かう途中にある岩壁 石灰で出来ているのか侵食されている

諸上橋より、浦山ダムを眺める

二十九番 笹戸山 長泉院

時間切れにより、前を通過しただけでした<(_ _)>。

お昼ご飯とおやつ

お昼ご飯は、冷やしうどんをスープジャーに入れて持参しましたが、歩き始めがお昼過ぎと言うタイミングの悪さだったので、道中で少しづつ食べながら歩きました。
暑い日だったので、冷たい物が美味しかったのと、めんつゆの塩分が体にしみました

おやつは、持参してきたバームクーヘンなのですが、ちょうど食べようとしたタイミングで坂道になり、息をはぁはぁしながら食べてむせそうになり、これもまたタイミング悪かった_| ̄|○

バームクーヘンを食べて糖分補給

使ったお金💰

  • 交通費(ガソリン代) 約1100円
  • 帰りにスーパーで飲み物とアイスを購入 288円
  • 合計 1388円