ケチ子おばさんの空色ハット

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「笠取山」多摩川源流最初の一滴

山歩きを初めて、水の美味しさを知りました。

水って奥が深いなぁと感じる今日この頃です。はい。

 

以前、東京都のパンフレットを貰い、私には無理かなと思っていたハイキングコースがありました。

パンフレットはこちら👇

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水源地ふれあいの道ガイドマップです。

 

この中には3つのコースが紹介されています。

その中の一つである

多摩川の始まりを訪ねる~水干ゾーン

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何だか、楽しそうなので行ってみたいなぁと思っていましたが、はて、私に歩けるのかなぁ?健脚向と書いてあるしなぁと思っていました。結構小心者です(;^_^A。

後日、笠取山を知り、あれ、ここって多摩川源流だった?。私でも登れそうかなと(*^-^*)。早速行ってきましたヽ(^。^)ノ。

当日はそんなにお天気は良くありませんでしたが、寒く無ければ少々の雨は平気なので、ウキウキして出かけました。

 

笠取山は山梨甲州市と埼玉県秩父市の境にある標高1953mの山です。周辺の山々と共に奥秩父の山塊にあります。

 

登山口と登山道

笠取山の登山口は「作場平口(標高1310m)」が駐車場もトイレもあり便利です。

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まずまずの込み具合ですが、なんとか停められます。この日は小型バスで登山ツアーで来られている方々もいました。

 

作場平口駐車場は、国道411号(青梅街道・大菩薩ライン)を奥多摩を抜けて山梨県に突入し、さらに進んだ先で林道に入り頑張って走ったその先にあります。ここへは公共交通機関が無く、車で来るしか方法はなさそうです。

 

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駐車場の奥、登山口の向かいに清潔なバイオトイレがあります。

奥多摩の山々は、東京都の水道水源林でもあります。東京都水道局で管理されているのでトイレがとても良く整備されています。

 

作場平登山口より山に入ります。

登山道も大変良く整備されており、家族でハイキングに来られている方もいました。カラマツの林を抜けてどんどん進んでいきます。

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登山道には、東京都水道局が看板を立ててくれています。写真にとってこなかったことが残念ですが、山の治水の役割や、木・森の役割、雨として降った水の流れを説明してくれています。なるほど納得です。

たかが水、されど水。山歩きを初めて、当たり前に水が蛇口から出る事、それは当たり前でない事を知りました。当たり前に思っていたことは、多くの時間と労力をかけ整備されているものでした。そして、自然の力の大きさと共存するように整備された森林は大変美しいです。

 

さらに登っていくと林道に出ます。その先で「鹿」と出会いました。可愛い。

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その先は

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鹿だらけでした(゚∀゚)。もはや、この辺では人間の何倍も鹿がいます。向かいは「笠取小屋(標高1776m)」です。近くに清潔なバイオトイレもあります。

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どんどん上ると雲の中に突入してしまい、少し雨も降ってきました。この先に見えるのは山頂ではなく小さなピークです。ここが小さな「分水嶺」です。本当に小高く盛り上がっています。

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はてさて、「分水嶺」とは何ぞやと思います。漢字で考えると「分ける」「水」「嶺」。嶺とは山頂や盛り上がっている所です。そのままです(*^-^*)。

分水嶺の碑

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三角の形をしており「多摩川」「荒川」「富士川(笛吹川)」と書かれています。雨として降った水は、落ちたその場所によって今後これらの川に流れていきます。ちょうど雨が降っていて、落ちる雨の雫を眺めました。あの雫は多摩川に、この雫は荒川に、その雫は富士山のふもとを流れ太平洋にと、何だか想像もつかないような旅をするのだなぁ。と思いました。

 

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笠取山山頂に向かう尾根道は大変整備されています。昔は木がなく荒れていたのそうです。広く登山道が造られているのは山火事の延焼防止の為だったと何かで読んだように思います。

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 ハイキングコースでは、笠取山山頂へは行かず、「水干」に向かいますが、私は山頂に向かいます。

笠取山の山頂へはとーっても急な傾斜の登山道を進みます。かなりきついです(-.-)。冗談ではありません。笑えない程の急登です(゚∀゚)。登ったその先は

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山頂です。はい、雲の中で何も見えません!(^^)!。

笠取山にはなぜか山頂の碑がもう一つありました。

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一つは「山梨県」とあり、もう一つは「環境省」とあります。

 

どちらも山頂は広くなく、写真を撮るのが精いっぱいの広さです。山頂よりは来た道を戻る方もいますが、私は先に進みました。

 

岩場を抜け、降りた所を少し戻ると「水干」があります。

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「沢の行き止まりの意味で水干となずけられた」とあります。ここが、多摩川の最初の一滴の始まりですヽ(^。^)ノ。

一滴の雫を見ようとしましたが、

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残念ながら、最初の一滴は見られませんでした(T_T)。

先ほどの「小さな分水嶺」の多摩川エリアに降った雨は、山にしみこみ、ここに最初の一滴として、これから東京湾まで136㎞流れていきます。水ってすごい。

 

このくにある水場口より、水場道に寄り道します。この先は抜けられませんので、戻ってこなくてはならない急な斜面です。先ほどの最初の一滴が、沢となって流れ始める場所に行けます。

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写真では解りにくいですが、ここが「多摩川の最初の沢」の始まりです。とてもきれいな水が流れていきます。

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再度水場口まで戻り、中島川登山口に向けて下山します。

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途中の黒エンジュでは、とても美しい森を観ることが出来ました。こういう風景はとても心が癒されます。

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立ち止まってぼーっと眺めてしまいます。一人山歩きの私は、時折、気になった風景や植物や石等、何だか気になることがあれば立ち止まってしまいます。一人ならではの楽しみです(*^-^*)。良い景色を観ることが出来て心は爽やかになります。

 

中島川登山口に下山し、ここから駐車場がある作場平口までは林道を歩きます。中島川口には、私が見る限りに駐車場はありませんでした。

 

 

水源をたどる山歩き、とても楽しかったです。はい!(^^)!。かなり楽しかったです。

小さな分水嶺は、何だか不思議な感覚さえ思いました。分水嶺で、空から降ってくる雨を観て、この雨が流れていく先を思い描きました。頭で想像しても壮大な雨粒の旅は私の頭の想像なんて遥かに超えるものです。しかし、ずっとずっと昔から雨は流れて沢になり川になって流れています。自然を感じれば、人間なんてちっぽけなものです(*^-^*)。でも、自然を大切にしていることも感じれた山歩きでした。

 

たかが水、されど水。

大切な水。